乳酸菌とビフィズス菌ってちがう生きもの?【エピエ DNA&腸内フローラ 知識編】

【epier エピエ DNA&腸内フローラ 知識編” 乳酸菌とビフィズス菌ってちがう生きもの?”】


【カラダで働く生菌 ビフィズス菌と乳酸菌】
ヨーグルトなどのパッケージで良く目にする「ビフィズス菌」と「乳酸菌」。そのビフィズス菌と乳酸菌は同じ菌、つまり「ビフィズス菌=乳酸菌」と思っている人も多いのではないでしょうか。実は、ビフィズス菌と乳酸菌は別の生きものですが、この違いわかりますか?
ビフィズス菌も乳酸菌も人間の腸の中で生きている「腸内細菌」で、カラダにとって良い働きをしてくれることから「善玉菌」として知られていますが、生物の分類としては違う生きものなのです。
※サプリメントなどで活躍する「死菌」は、今回ご案内する「生菌」の話とは異なりますのでご注意ください。

【ビフィズス菌】
ビフィズス菌は、乳酸や酢酸、ビタミンB群、葉酸などを作る腸内細菌で、主に人や動物の腸の中で生きています。ビフィズス菌は、酸素が苦手で「偏性嫌気性(へんせいけんきせい)」と呼ばれています。カラダの外など酸素が豊富な一般的な世界では生きることができません。

【乳酸菌】
乳酸菌は、乳酸を作る腸内細菌全般をあらわす呼び方で、その種類は多種多様にわたります。人や動物の腸の中で生きていますが、他にも乳製品、漬け物などの発酵食品でも乳酸菌が使われているよう、ビフィズス菌とは異なり酸素が豊富にある世界でも生きていくことができる性質で「通性嫌気性」と呼ばれています。

【ビフィズス菌vs乳酸菌】
・カラダ(腸)の中に住んでいる数
個人差はありますが、ビフィズス菌は1兆から20兆個、乳酸菌は1億から1,000億個と言われており、ビフィズス菌の方が100倍から1万倍も多く棲んでいます。

・酸素があっても生きていける?
ビフィズス菌は酸素がたくさんあるところでは生きていけません。一方、乳酸菌は酸素があっても生きていくことができるため自然界で広く生息しています。

・カタチ
ビフィズス菌は多形性と呼ばれていて、分枝状、V字状、Y字状、こん棒状、球桿菌状、湾曲状・・・など不規則な形態・配列の桿菌(かんきん:個々の細胞の形状が細長い棒状または円筒状の菌)です。一方で、乳酸菌は基本的に桿菌(かんきん)または球菌(球状)という形状です。そのため、研究員だけではなく、慣れてくると顕微鏡で見るだけで「ビフィズス菌」と「乳酸菌」を判別できます。

【ビフィズス菌の不思議?】
ビフィズス菌入りのヨーグルトが発売されています。ビフィズス菌は「酸素が苦手」なはずなのに、ヨーグルトの中で生きていけるのでしょうか。ビフィズス菌が入ったヨーグルトを作るには、酸素が苦手なビフィズス菌を守るために、原料である牛乳に酸素が溶け込みにくくするなどいろいろな工夫が必要とされ、あらゆる技術が盛り込まれています。その1つに乳酸菌の働きを利用する事も多いのです。ヨーグルトを製造するときに、牛乳中の酸素を消費する働きを持つ乳酸菌を入れ発酵させることで、ビフィズス菌の苦手な酸素を少なくすることができるのです。このように作られたビフィズス菌配合のヨーグルトですが、パックを開封してしまうと酸素に触れる量が多くなってしまい、ビフィズス菌が次第に死んでしまいます。そのために開封から早めに食べる方がおすすめなのです。

【自分の腸内細菌叢に不足した善玉菌をとろう!】
このようにカラダにとって良い働きをしてくれるビフィズス菌や乳酸菌が腸の中で不足してしまった場合、ヨーグルトなどで生きた菌を即戦力として補うことも大切です。今話題の腸内フローラ検査などを活用すれば、自分のカラダ(腸)の菌バランスを把握することが可能になりました。たとえば、腸内細菌のうち「乳酸菌」が少ないのであれば、「生きた乳酸菌」を即戦力としてとりいれる。たとえば、腸内細菌のうち「ビフィズス菌」が少ないのであれば、「生きたビフィズス菌」を即戦力としてヨーグルトなどでとって補ってあげるのがおすすめです。
但し、乳酸菌・ビフィズス菌を生きた菌として摂取しても、自分の腸内に棲まわせることは基本的にできず、その大半は便として排出されていってしまうという問題もあります。そのため、生きた乳酸菌・ビフィズス菌を即戦力として毎日摂取することも大切ですが、腸内フローラ全体を良いバランスに保つこともとても大切なのです。

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